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ラグナロクオンライン内で起きるギルメンの日常や、恋(?)模様などなどを徒然に、期間限定で掲載しています。※時折BL要素が入りますので、ご容赦を。
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第二話

いつもと同じ時間。
いつもと同じ場所。

約束なんて、したことはなかったけど
狩が終わって、君と交わす
「又明日」
の約束が嬉しかった。


あの出会いの日から、半年。
いつものように、朝の10時にはプロンテラ西の門の側に立つ
アシェはいつも寝坊して、ここにたどり着くのはいつも11時前
寝癖でボサボサになった髪を、手櫛で整えながら走ってくるのが毎日の恒例だった。


石をくみ上げられて作った、門に寄りかかり
胸元の冒険者昌を見れば、早いもので、もう直ぐJOB50になろうとしていた。

今日当たり転職しようかな

そんなことを考えながら、ぼんやり空を見上げると
聞きなれた声が日々いいてきた。

「だから、今日は待ち合わせしてるっていってるだろ!」
人々の雑踏の中でも、聞き分けられるほど慣れ親しんだボーイソプラノ
「いつもそういって、俺達の誘いを断るじゃないか!たまには俺達と出かけたっていいだろう?」
声がするほうを見れば、アシェが数人の男に囲まれて、言い合いをしているのが見えた。
穏やかとはいいにくい雰囲気に、直ぐ側の花売りの少女が、居心地悪そうにしている。


「まあ、まあ、落ち着きなよガルム」
ガルムと呼ばれる、クルセイダーをクリエイターが、制する。

「僕達は、アシェがどんな人と最近出かけてるのか、気になってるんだよ?だって僕達の狩には起こしに行くまで起きない君が
自力で起き出して、毎朝でかけるなんて、気になるじゃないか」

アシェは俯いて
「ごめんなさい、朱里に心配させて」

俯くアシェを見れば
「朱里には、殊勝なくせに、俺には食ってかかるよなぁ、お前は…」
溜め息をつきながら、ガルムはアシェの頭をわしわしとなぜる。

「ガルムの言い方がきついから、アシェだって、頑なになるんだろ?」
傍に立つ赤毛のプリーストが呆れながら言えば、アシェは三人を見上げて
「皆に言わなかったのは悪かったけど、僕だってもうすぐJOB50になるし、相方がいてもおかしくないだろ?」


俺は三人を遠巻きに見ながら、アシェの言葉を反芻する。
相方っていった?
それってやっぱり俺の事だよね?
アシェは俺の事相方としてみてくれてるんだ?

嬉しくなって頬を緩めながら俺はアシェ立ちに歩み寄り、声をかけた。
「遅いぞ、アシェ」
アシェと、彼を囲む男たちが振り返り俺を見る。
「ゲイン!」
アシェは嬉しそうに、手招きし、俺を呼んで彼らに紹介された
「皆に紹介するね、僕の相方のゲイン、騎士志望なんだよ、ゲイン。この人たちは僕が所属してるギルドの仲間なんだ、マスターでクリエイターの朱里に、副マスターでプリーストのアルファルファ、ギルメンのクルセイダーのガルムだよ」
それぞれをさしてアシェが紹介してくれる。
「初めまして」
相方と言う括りにくすぐったさを感じながら、頭を下げれば
「けっ!まだ剣士じゃねぇか」
と、クルセイダーが毒づく、カチンとしてクルセイダーを見上げれば、隣に立つ赤毛のプリーストがクルセイダーの後頭部を叩き。
朱里と呼ばれたクリエイターは俺の前に立つ、そして

「君、所属ギルドは?」
突然のクリエイターの問い掛けに、先ほどのクルセイダーの暴言に腹をたてかけたことも忘れて素で答え。

「え?まだ決まってないですけど」
直後、クリエイターは俺の腕をつかんで持ち上げた


「ギルメン一人ゲット~♪」 


この日が、俺が君の相方として意識しはじめた日。


君と同じエンブレムを着けて、君の隣に立つ俺は、まだまだ駆け出しの冒険者だったけど。



自分の剣で、護れる誰かが居ることが誇りになることを、知りはじめていたんだ。 




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第一話
あの日、あの時。
君に出会えた奇跡…… 
もう、伝える事の叶わない君に
伝えたい事が有る
伝えたい、言葉がある。
俺に出会ってくれてありがとう。
俺を選んでくれて有り難う
ポカポカと暖かな日射しの、柔らかな草原の川辺りで、俺はねっころがって居た。
念のため言っておくが昼寝をしているんだ、倒れているわけじゃないぞ、決してクリーミーに向かって行って、不様に一撃も入れられずに、倒れているわけじゃない。
倒れているわけじゃないけど……
「プリースト様通りかからないかなぁ……」
そんなことを呟いて、目も開けられない状態のまま、倒れている
うう、天国の父さん母さん
息子は、貴方達の遺志を継がずに、冒険も始まった直後に
蝶に殺されて死にました
願わくば後世に、巨大な毒燐を振りまき、プロンテラが壊滅状態になった
凶悪ながの魔物と戦って果てた、名誉有る
騎士、ここに眠る
とか墓石に彫っていただきたく……
うん、まだ剣士だけどね…
ぶつぶつと、そんなことを呟いていると。
頭上から、ボーイソプラノの声が降って来た。
「あのぅ?大丈夫ですか?」
転がっている奴にくだらないこと聞くんじゃねーよ!
と、思いつつ。
素直に
「助けてください」
と、言ってしまうあたりが、情けない
いや!今はそんなことを言ってる場合ではないのだ。
そして、一泊の間を置いて、状態の回復呪文が、詠唱される。
「リザレクション!」
身体が動くようになれば、助けてくれたプリースト様にお礼を言おうと、目を開き、視線をめぐらせた。
そこに居たのは、自分と年の代わらない雰囲気のアコライトの少年だった。
「大丈夫ですか?良かった、成功して。」
胸を撫で下ろす、その少年は、さらさらの銀の髪を陽光に煌めかせ、今日の天気のような蒼い瞳を輝かせながらニコニコと笑い、話し続ける。
「僕、イグ葉のリザレクション、僕詠唱ミスで枯らしちゃうの得意なんだ」
イグドラシルの葉って・・・・露店で3・5Kとかで売ってるあれか?
そうか、あれを使って起こしてくれたのか、有り難う……
と、言う前に。
少年の問題発言に突っ込みを入れてしまう。
「……そんなのが特技じゃダメだろ?」
半ば呆れながら、アコライトの少年にそう返せば
「あはは、よく言われるんだ。」
照れたように、髪を掻き上げながら、笑う。
大丈夫か?こいつ…
てれるところでも笑うところでもないと思うが
あ。有る意味笑うところか…うん。
まぁ、いいや。
「助けてくれてありがとう、それじゃ…」 
起き上がり、立ち去ろうとする俺に
「あ!まってまって!」
彼も慌てて立ち上がり、彼が使える、最大限の支援をかけてくれた。
ぼんやりした奴だと思ったのに、支援のスピードは絶妙で、聖職者としてはやっていけるんだなぁ、等と変な感心の仕方をしてしまう。
「ありがとう、俺ゲイン=アルファード又どこかで会えたら宜しくな」
突然の自己紹介に驚いたのか、アコライトの少年は大きな目をぱちくりさせていたが、暫くして笑顔で返してくれた
「こちらこそ、僕はアルシェ。皆アシェって呼んでるよ、又何処かでなんて言わずに、もし良かったら今からどこかにいかない?」
差し伸ばされた、細く白い手を掴んだときに、俺と君の運命は、決まっていたのかもしれない。
だけど、今でも。
あの手を君が差し伸ばしてくれて、良かったと思う。
君と重ねた日々の思い出は、今でも俺の心に鮮明に焼き付いているのだから
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古い小説ですがよろしくお付き合いいただければ嬉しいです
前作ハッピーライフにでてきたゲインさんのお話です

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「せくらさんが嫌なら、俺なかったことでいいです、困らせてしまってごめんなさい」

そんな風に謝る守門

「ちがう!嫌じゃない!!」

そんな風に言い出す守門の言葉を俺はさえぎった。

 

咄嗟に声を出したは、いいがその先の言葉を考えてはいない。

ど、どうしよう……。

ろ、だらだらと、冷や汗が背中を流れる。

いつものようにふざけたり茶化したりしたら絶対ダメなところだここは。

あうあう、と言葉にできずにをパクパクさせて、相手の顔を見れば、困ったようにこちらを見下ろしていた。

 

そうだ、いつの間にかこいつのほうが背が伸びて、いつのまにかこんな風に。

でもそれが恋情の混じったものになっていたのはいつからだったんだろう。

そんなことも気にせずに、俺は!

「あ……あの、せくらさん?」

「う、あう……」

どんな気取った言葉を探しても出てこない、高速詠唱、高INTのこの頭はいまはただの飾りか!

ふと、先ほどのレイさんの言葉が頭によぎる

『「せくら君がいいとか悪いとかより、どうしたいか、じゃないですか?」』

そうだ、今までの俺のことはもうしょうがない!

気が付かなかったのも、事故みたいなものだ!たぶん

でも、ちゃんと気持ちは言わないと。

「あ……あのな、守門の事を今すぐに恋人のように思えとか、恋愛対象にしろっていうのは、まだ無理で……」

チラチラと相手の顔を窺いながら

「でも、お前と狩りに行くのは楽しいし

お前がAGI型で敵かき集めて、ばーーーーーっと俺がME引くのはすごく楽しい!

だからお前が餌係として敵かき集めて狩りするってスタンスはすごく楽だし、俺は大好きだ、だからじゃあお前と恋人じゃなかったからほかのAGI型ギロチンを探して同じように狩りできるかとか、楽しい時間作れるかとかは無理だと思う」

ここまで一気に言えば、守門は黙って俺を見ていた。

「だから、ほかの人と出かけるのとはお前と出かけるのはまた違くて、でも恋愛対象とかはまだ難しいっていうか、そこまでの気持ちかって言われると、だから……」

「はい」

たまり場のそばを流れる川の音がやけに耳に響く

「あの、あのな」

こんな風に誰かに言葉を伝えるのは、いつぶりだろう

目線が下に行き、自分の足元を見る

「恋人とかは、ちょっとまって欲しい、とりあえずっていうか、今更だと思うけど

俺と、相方になってくれませんか?」

うううう……恥ずかしい

穴ほってうまりたい

だって、自分でスルーしておいて、やり直しって

色々最悪だ

だけど、この人とこれっきりとか、離れるとか

一緒にいられなくなるのとかは嫌った

我儘かもしれないけど、これが今の俺の気持ち

今はただ、隣に立っててくれないだろうか?

ちらりと、顔を上げて相手を見れば、呆けたような顔をしていた

「え?す、守門?」

俺がおそるおそる声をかければ、我に返ったように瞳に色が戻る

「はっ!あ、すみません!」

「い、いや。どうした?俺の話聞いてた?」

「聞いてました!聞いてました!予想と違っていてそれで驚いてしまって、すみません」

「予想と違うって……?」

「いや、だってせくらさん走って逃げちゃったから、そんなに俺のこと嫌いなのかと思って、恋人とか考えてなかったのかと思ったらショックだったんですけど、でもこんな感じになってしまったら、俺ここのギルド居ずらいじゃないですか、だから瀬倉さんが帰ってくるの待ってたら、ひと声かけて明日の朝にはこのギルド抜けようかと思ってたんです」

あぶなかった!!

レイさんに言われてちゃんと言えてなかったら、もう会えなくなるところだった!

明日にでも菓子折りもって届けに行こう

そんな方向に思考が横滑りする

 

「えっと、それじゃ。」

守門が困ったように言う

「うん」

俺もそれに答えれば

「これからもよろしくお願いします、せくらさん。

せくらさんが楽しめるように、これからも俺!餌係頑張りますね!」

笑顔でそういう彼に、俺はほっと胸をなでおろす

 

「それに、『まだ』ってことは、これからだって期待できるっていうことですよね」

 

ぽつり零された守門のつぶやきは、さらさらと流れる川の流れに乗って

俺の耳には届かない

「守門の誕生日に守門がギルド脱退になんてならなくてよかったよ」

「ほんとですねー」

「さってと!そろそろ寝るかー」

軽く伸びをして、空気を換える。

月は大きく傾いて、太陽の光がうっすらと東の空を明るくし始めてはいるけれど、あと二時間ぐらいならきっと寝れるだろう

そう思いながら、いつものように木立に寄りかかり毛布をかぶる

いつもは少し距離を取って寝る相方が、今日は背中をくっけているのがなんだかくすぐったかった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

誕生日の風景完結です!

なんかすみません!

うわあああ、なんか恥ずかしい!

はずかしいよ!せくらさんが!

初々しい二人の第一歩

ここでくっつけちゃうのもありかと思ったんですが、なんか告白とかもっと丁寧に書きたかったので、まずは相方ってことでひと段落させてみました。

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走って、走って。

たどり着いた先はプロンテラ首都郊外の一軒家

深夜だというのにテンパった俺はその家のドアをドンドンと叩いた。

しばらくして

「うるっせえな!何時だと思ってるんだ!新聞の勧誘ならお断りだぞ!!」

くるくるの銀髪を掻き回しながら出てきたのは半裸のハイプリーストが現れる

「って、せくら?!どうしたんだよこんな時間に」

「うわああああん、ノア先輩助けてくださいいい」

「えっ?!えっ?!!何があったんだよ?!せくら!」

俺が駆け込んだ、このハイプリーストは

マグノリア先輩

木蓮を意味するその名前があまり得意でないらしく、本人は略称のノアを周囲に呼んでもらっている。

俺がアコライト時代にお世話になった先輩だ

アコライトは一人前になるまで、一人の先輩の補佐役としてつけさせてもらい、様々なことを学ばされる。

いうなれば、この時に専属になってくれるプリーストによって、その後の聖職者人生が決まってしまうと言っても過言ではない。

高速詠唱を得意とし、様々な大人数のパーティーの支援の要として活躍していた先輩の側にいたから、今の俺が武器としている高速詠唱スキルや立ちまわりを覚えたと言ってもいいのだ。

色々と問題も起こしてくれたが、俺が非常事態に助けを求めるのはいつもこの人だった。

ノア先輩は深夜に駆け込んだきた俺を

何が何だか分からないままにも、家に上げてお茶を入れてくれた。

 

半裸だったのは、先輩の彼氏との事の真っ最中であったらしい

情報が遅れて申し訳ないが、先輩は男性とお付き合いをしている。

恋人は、AGI型ルーンナイト

プロンテラ騎士団に所属し、どうやら貴族の家の出らしいということしか知らないが、とても仲の良い二人に俺はいつも、正直いいなあと思っていた。

羨やましいというほどでなく、この二人をいいなあと思うのだ。

「えっと、すみませんなんか、そういう時に押しかけちゃって」

俺が謝れば

「まあ、それはいいから!」

さすがに恥ずかしいのか、顔を赤くして怒られる。

「それで、せくら君。どうしたんだい?君がこんな時間にくるなんてよっぽどなんだろ?」

ノア先輩の相方である、レイさんがノア先輩のとなり、俺の斜め前に座って聞いてきた。

さすがに室内なので二人ともラフな普段着だ。

ノア先輩を見れば、話すことを促されるように頷かれ

俺は先ほどの出来事を二人に話して聞かせた。

 

しばらくの沈黙の後

「そりゃ、お前が悪いわ。せくら」

片目に虹彩の入ったオッドアイの青い瞳が、バッサリと言う

「うう、ですよね」

テーブルに突っ伏して項垂れれば

「大体、付き合おうって言われて、どこに?とかコントじゃないんだから、なあ?」

ノア先輩が傍らの相方にそう聞けば、

「いや、貴方だって昔私が告白したときそんなこと言いましたよ?」

と、呆れたように返されている

「なんていうか、似た者師弟ですね……」

呆れたようにレイさんがいえば、そんなこともあったっけ?とノア先輩は嘯いた

「まあ、なんにせよ」

レイさんは笑って俺を見て

「せくら君がいいとか悪いとかより、どうしたいか、じゃないですか?」

「俺が、ですか?」

両手に挟んだマグカップのなかの紅茶が揺れる

「ええ、せくら君がその、守門君にたいして如何したいか、どうありたいかが重要だと思いますよ?」

「俺、俺は……」

つぶやいて、カップの中を見つめる。

カップの中身は高級な紅茶なのだろう、奇麗な赤色をしていた。

少しだけ、守門の髪色に似ていて彼を思い出す。

「俺、俺は、わからないです。守門のことは嫌いじゃないし、だけどなんか、だって最近まで初心者だったと思ったのに、いつの間にか三辞職になってて、俺の隣にいて……

嫌いじゃないけど、そんな、好きとかは…まだ……」

「なら、そう言ってあげるのが今は一番だと思いますよ」

「そうだぞ、可能性がないわけじゃないことを伝えてやれ!」

ノア先輩とレイさんに背中を押され俺は立ち上がる

「有難うございます!少し納得しました」

「うん、それならよかった、どうずる?たまり場まで送ろうか?」

レイさんがコートを羽織ろうとするのを俺は止める

「大丈夫です、ここからたまり場まですぐですから、このまま歩いていきます」

「そうか、気を付けろよ?」

笑顔で送り出してくれる二人に手を振って俺はたまり場に向かって駆け出した。

 

銀色の髪と、その上でゆれる天使の羽を見送りながらノアは呟く

「そろそろ、せくらも新しい春が来てもいいころだと思うんだよな」

「そうですね、前の彼氏さんと別れてけっこうなりますっけ?」

「うん、五年ぐらいかな」

「守門君がせくら君のいいパートナーになってくれるといいですよね」

「だなあ」

欠伸をしながらそろそろねるかーと言いながら二人は家の中に入る。

 

俺はそのままたまり場へ向かえば、川ぺりに守門が座っていた

けっこうな距離があるのに、俺の気配を察したのか振り返り、こちらと視線が合う

「おかえりなさい!せくらさん」

「た、ただいま」

「心配しましたよ、急にポタで駆け出すから」

「う…うん、ごめん」

うう、きまずい

どう言ったものか逡巡していると、守門の方から切り出してきた

「ねえ、せくらさん。

さっきのことなんですけど……」

「う……あの、あのな。その……」

「せくらさんが嫌なら、俺なかったことでいいです、困らせてしまってごめんなさい」

そんな風に謝る守門

「ちがう!嫌じゃない!!」

そんな風に言い出す守門の言葉を俺はさえぎった。

 

 

 

 

つづきますーー!

続きは今日か明日にはUPします!

 

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2015年冬コミのラグナロクオンラインスペース

サークル名はブログタイトルと同じ「はっぴいらいふ」
スペースは 水曜日(30日)東地区 コ-32b





ある誕生日の風景

 

ある日のこと

「せくらさん!今夜はチョコレートケーキがいいです俺!」

ギルドメンバーの守門が急に言い出した。

「チョコレートケーキ?」

確かに今日の晩御飯当番は俺だけど

「急にケーキって言われても、材料はないぞ?」

俺がそう言ったら

「大丈夫です!材料俺揃えてきましたから」

差し出された材料は確かに、ブッシュドノエルの材料

「いいけど」

と答えれば、有難うございます!と大喜びだ

こいつ、こんなにケーキ好きだったっけ?

と思いながら、晩御飯にはケーキとケーキに会いそうなものを付け合わせて作る

「ありがとうございます!俺の好きな物ばかり作ってくれてうれしいです!」

「そうか、良かったな」

たまたま作ったメニューが、守門の好きなものだったらしい

それにしても、今日は随分と嬉しそうに食べるなあ

そんな風に思って守門の食べる様子を見守る

 

日も暮れてきて、ギルドメンバー皆が寝静まったころ、俺も一通りのかたずけを終えて一息つこうと、焚火のそばで座っている守門の横に座った

「かたずけ終わったんですね、お疲れ様です」

「あー、今日は材料がいろいろあったから、多く作りすぎちゃったなー」

ふああ、と欠伸をしながら空を見上げれば、月が頂点に差し掛かっていた

「そろそろ俺も寝ようかな」

俺がそう言うと、守門が、えっ?!と聞き返す

「なんだよ?」

と、怪訝なかおをすれば

「いや、あとちょっと、十分ぐらい一緒にいてくれませんか?」

「あと十分?」

首をかしげて聞き返す

「はい、あと十分したら俺の誕生日じゃないですか、やっぱり恋人に最初におめでとうって言ってほしいですし」

「……えっと、お前の誕生日なの?」

「はい!あれ?いってなかったでしたっけ?」

「……ん。いやっていうか、恋人同士?」

「はい」

「俺と、お前?」

「他に誰がいるんですか?」

静かに川の流れる音が響く

「えっと、いつから?」

「えっ?いつも言ってるじゃないですか」

「えっ?」

言われた覚えが全くない、とクエスチョンマークをとばしていると

「せくらさん、好きですよって俺言ってるじゃないですか?」

確かに言われている、こまごまとちょいちょいと言われているけど……

 

「えっ?!あれってそういう意味だったのか?!」

「ほかの意味のない単語だと思いますけど」

困ったように言う守門

「ちょっ。まって?いつから?!」

「いつからって、結構前ですよ、まさか自覚なかったんですか?」

「いや、うん。っていうかごめん、本当にいつから……」

 

 

どうやら、半年ほど前に守門が

『せくらさん、付き合ってください』

と言っていたらしい

そして俺は

『いいぞー?どこに付き合えばいいんだー?』

というベタな返しをしていたらしい。

 

「えっ…えええええっ?!」

ちょっとまって!

ちょっとまって!!

急に顔が熱くなる

「せくらさん?」

不思議そうに俺を見上げて聞き返す守門

「ちょっとまって!!!」

叫びながら俺は立ち上がり、思わずポタを開いてその場から逃げてしまった

 

だって

だって

 

ちょっとまって!!

 

だっていつから?!

そんなだったらもっとこう、あったじゃん!

 

だけど、なんか

そんなんで、ええええっ?!!!

 

 

一人テンパりながら俺は、夜のプロンテラの街を駆けまわった

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