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ラグナロクオンライン内で起きるギルメンの日常や、恋(?)模様などなどを徒然に、期間限定で掲載しています。※時折BL要素が入りますので、ご容赦を。
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さて、どうしよう。
プロンテラ西の下水ダンジョン前、はっぴーらいふのギルドハウスの一室
机の上に並べられたものを見ながら、俺は固まっていた。
今日はギルドの書類が溜まっていて、普段ならペア狩りをするはずの相方がソロで出かけて行った。
暫くしたら、帰ってきて
「せくらさん、お土産です」
って渡されたプレゼントBOX
作業がひと段落して、ちょっと落ち着いたところだったから気分転換をかねてあけてみたパカパカ、パカ。
中から出てきたのは。
ブーケ。
ダイヤの指輪。
タキシード。
ええっと。
これってアレだよね?
つまりそういう事だよね?
ううん。
渡してきた相方はそのまま倉庫へ行きますって言ったまま戻ってこない。
うーーーむ
頭を悩ませながら、とりあえず守門の師匠が住むモロクへポタを出してみた。
そして
「プランドさん、実は守門からこんなものを貰ったんですけど……」
守門の師匠であるギロチンクロスのプランドさんに先ほどのブツを並べてみせる
「これは.……」
それらをじっと見たプランドさんは呟いた。
「プロポーズされたのか?せくら」
「やっぱ、そうおもいますよねえええ」
テーブルに頭を乗せる俺に、プランドさんは、おめでとうと呟いた。

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お友達のキャラと相互でお話を作りました。
リレー形式で意味不明かもしれません。
ちなみに設定的には今連載中のせくらさんと守門ちゃんがであうより前のお話しです


基礎知識として

友人キャラ
零音=アサシン
ニー=騎士
恋人同士

うちのこ
アシェ=プリースト
ゲイン=騎士
恋人同士

せくら=プリースト

零音にはお兄さんがいて、お兄さんとグラストヘイムに狩りに行ったときにMHに巻き込まれ、お兄さんは死亡
零音も片腕をうしない車椅子生活になってしまった。
零音はニーに引き取られ生活することになった。

っていうところからのバトンでした。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たんぽぽのブーケ


 

木蓮が死亡し、零音が大怪我をした時

アシェと、ゲインはアイン地方遠方の視察に出かけていた。



 

戻ったときには、零音は退院し、ニーの家で暮らすことが決まっていて。

視察の報告をするため、プロンテラ城に立ち寄ったときに、零音や木蓮、ニーのことを知ったのだった。

話を聞いたとき、とるものもとらず、アシェは二人の家に駆けつけた。



 

扉を開けたアシェの目に最初に映ったのは

零音の変わり果てた姿。


 

「零音…」

零音の無くなった腕や、車椅子に載った姿を見て、アシェは一瞬、言葉をなくす。


 

でも、傍らに立つニーが寄り添う姿を見て、それでもほっとした表情を見せ。

零音の側に膝を立てて、顔を覗き込み、そっと抱きしめて

「零音が、生きててくれてよかったです」


 

アシェがそう言って抱きしめると、零音は小さく首を振る

まるで、自分が生き残ったのは罪であるかのように。

その姿を見て、アシェは辛そうに眉よせ、零音の額に自分のおでこをくっつけた

「僕は、零音が生きててくれてよかった、本当の気持ちだよ

そして、あの日、初めて会った時のように、そっと頬に触れる

「零音、生きててくれて有り難う」

静かな、アシェの言葉は最初の出会いのときとかわらず、決して慰みや哀れみではない、本当の言葉

零音は静かに、アシェの手に頬寄せて涙を流す。

アシェも、零音を抱き寄せて、静かに零音の背中をなぜる

黒い法衣に、幾つも、零音が涙の染みをつくった。



 

本当は、プリーストなら木蓮の墓参りをして、死者を悼んで

鎮魂歌の一つでも歌って帰るべきなのだろう


 

でも、そんな形式ばったことより、死者を悼むことも

大切なのは判っているのだが

そんなことより


 

自分は、やりたいことがあった。



 

自分はプリーストである前に、彼らの友人だから

彼らの悲しみを確認するより

彼らの幸せを探したかった。



 

「今日から、お二人がご一緒に暮らすって聞いたので、お祝いをお持ちしたんです」



 

周りが、木蓮の追悼に来ているであろう時期に

そんなずれたことを言うのは

自分ぐらいなものだっただろうけど。

自分でも、分かっていたけれど


 

だけど、木蓮だって。

自分の死を何度も確認させて辛い思いをさせるより、これからの二人を、応援してあげてくれって、きっとそう言うと思うから。



 

そっと、零音の膝の上に載せたのはアルシェのプレゼントボックス。

アシェの瞳のような青い包装紙に、グリーンのリボンで綺麗に飾られたそれを渡しながら

「何かの記念のときに、空けてください」

零音とニーはソレを見てアシェの顔を見れば、零音は小さく首をかしげ


 

<こんな、貴重なの。あけられないよゲインさんにわたしたら

ゆっつくり、たどたどしく、文字盤をなぞる。

零音の文字盤の会話にアシェは首を横に振って

「零音にあげたいの、もらって

柔らかい笑顔で、ソレを渡し立ち上がりニーと、零音をみて笑顔で、ふと思いついたように、続ける。

「あ、そうだ僕の誕生日に、ゲインが苔桃パイやいてくれるって約束してるからそのときは二人とも来てくれる

半年以上先だけど」

日溜りのような笑顔で、零音とニーに向けて微笑めば、零音もつられて笑い

<そのときは、私もアシェに何か作るよリクエストして

ゆっくりと文字盤をさす。


 

零音の言葉に頷きながら

「じゃあ決まったらいうね、零音のごはんなんでも美味しいから悩むなあ」

又ね

と、手を振って、アシェはそのまま、二人の家を後にした。

窓辺に立てば、夕日に照らされながら、帰路へ向かうアシェの姿が見える。


 

ニーは、立ち去るアシェの後姿が見えなくなるまで見送りながら

「アシェさんは、俺達の先のことを見てくれてるんだな」

ポツリと呟いた。

その声には嬉しそうな響が含まれており、零音を見つめる

そして、その左手は、そっと零音を抱きよせて、頬にキスをすれば、零音の頬はしっとりと濡れていた。


 

「零音

ニーが、零音の顔を覗き込めば零音はアシェのもって来たプレゼントボックスに額を押し付けて

目じりから幾粒もの透明な雫が、零れ落ち。

震える指で文字盤をなぞる。


 

<私は、兄さんをを死なせて生きながらえて、ニーと幸せになろうとしてて、嬉しいけど。

許されないとおもっていたのに、申し訳なさで、いっぱいだったのに、アシェは、祝ってくれるんだね……>

 

ニーは、そのゆっくりな会話に、静かに頷きながら、零音の髪をなぜる。

零音はニーをみあげて、微笑み、ゆっくりと文字盤をさし

<明日から、左手のリハビリするよ、半年後にはアシェに美味しい料理を作ってあげなきゃならないし>

「そうだな、随分楽しみにしてくれてるしな」

二人に笑顔が戻り、漸くささやかながら、幸せに向かって少しずつ向かっていくところだった。



 

悲劇が起きたのは、半年後。



 

明け方に、見た不思議な夢。

暗くて寂しい、石造りの古い建物の中でアシェが一人で泣いてる。

(どうしたの。アシェ、又一人で眠れないの

私は、近づいてアシェのその柔らかい髪をなぜたいのに、いくら歩を進めても近寄れない

(アシェ私はここにいるよ!泣かないで

何度も、そう叫んだはずなのに、アシェの耳には届かないのか、ただ蹲って泣いていた


 

「零音零音…大丈夫か

「……っ!!!

ニーの声と、揺さぶられる感覚に、はっとして眼を開ける。

「どうした随分うなされてたけど……」

脂汗で、前髪が張り付いた額をぬぐってくれながら、ニーは心配そうに私の顔を覗いていた

<大丈夫…嫌な夢を見ただけだから…>

ニーに心配をかけまいと、傍らの文字盤を指すが、その指は小さく震えていた。


 

(リアルな夢…

アシェが一人で泣くなんて。

ゲインさんが無事で戻ってくればいいけれど。)



 

私は、ゲインさんの無事を願った。

 

だけど、悲劇は思いもよらないところで起きていたんだ。



 

小さな異変に気がついたのは零音だった、チェストの上にいつも置いてあるプレゼントボックスのリボンが、解けていた。

零音がソレを見つけ、車椅子でゆっくりと、ソレを手に取ると



 

『名無しのプレゼントボックス』


 

ガタンッ!!!



 

大きな音を立てて、零音が車椅子から倒れ、落ちる。

その音を聞いて、台所で昼食を作っていたニーが駆け寄れば

蒼白な顔の零音が、床に倒れていた。

「零音?!どうした具合が悪くなったのか

慌てて、抱き起こし、額に手を当てようとすれば、力の入らない左手で、ニーの腕を振り払う

そして、震える指で、転がったプレゼントボックスを指差し、ニーにしがみ付く


 

ニーはソレを見て、零音を抱え上げ

ゲインとアシェの家に向かった。

 

 

ゲインと、アシェの家は暗く、明かり一つついていなかった

「二人で出かけてるのか?


 

いつも、もしものときのためにと、お互いに預けあってるスペアキーで中に入ろうとすれば、鍵は開いており

乱れて落ちたシーツと、殆ど中身のはいっていない回復剤の袋が残されていた

ニーは眉根を寄せながら、明かりをつけ、手じかな椅子に零音を据わらせ、中を探してみる


 

「ゲインはいったん帰ってきたみたいだな」

ニーと零音はゲインとアシェが戻るまで、二人の家で待つ事にした。

ゲインが戻ったのは次の日の明け方だった。

血まみれの鎧で、扉を開け

ニーと零音を見れば

「着てたのか…」


 

と、力なく笑う。

「ゲイン怪我してるのか」

ニーが側までより、零音は心配そうに見つめる

ゲインは首を振り、ニーに支えられるようにして、その場に崩れ座り込む。



 

「アシェが………死んだ…」





 

冷たい寝台の上に横たわるアシェの身体、真紅に染まった髪や、顔は今は綺麗にされていて、両の手を組み合わせて胸に置かれている以外は、眠っているようだった。

ニーは私をアシェの直ぐ傍らまで連れていき、椅子を引き寄せて座らせてくれた。

これは、何


 

事態が直ぐには飲み込めない、アシェが亡くなったとゲインから聞いても、何処か信じられなかった。

アシェの誕生日に、二人が質の悪い冗談を企画してるんだと、思いたかった。

教会に連れてこられ、安置所の扉を開く瞬間まで、何処からかアシェが、何時もの笑顔で自分の名前を呼んでくれるような気がしていた。


 

茫然と、アシェを見つめ、ゆっくりと震える左手でアシェの手に触れる。何時もより、冷たい手、白い肌、動かない睫毛。

ボロボロと両目から涙が零れ落ちる。


 

暫くして、ハイプリーストさんが部屋にやってきて、一抱えある木の箱をもち、アシェの頭上に据えられた棚の、花の横に置き、頭を下げ出ていった。


 

コトンと、木の箱が置かれる音が、静かな霊暗室に響く。


 

いつも、一人で眠れないとゲインが遠征に行くときは、家に泊まりに着て私のベットで一緒に眠った。

一度だけ、ゲインが長期の遠征でアシェが泊まりに来なかった事があった。

私達がそれを知ったのはニーがプロンテラ城に出掛け、騎士団で話を聞いたとき。

ゲインが出掛けて三日にもなっていただろうか

ニーと二人の家を尋ねれば、ゲインの部屋でシーツにくるまって、窓際に座って泣いているアシェがいた。〈どうして、ゲインさんが居ないときは、家に来ないの?!

私が、怒りながら文字盤を叩けば

『ごめんね、零音。だって今回はすごく長いって言ってたから、二人に迷惑かけたくなくて……』

 

真っ赤に腫れた目で、そう笑うアシェをニーはベットに放り込み、私はそのベットに寝かせてもらって、その白い手を取ってキスして抱き締めた。

暫くして、聞こえはじめた安心した寝息。

私はアシェに必要とされていたんだよね

気を遣わせてごめんね、気が付かなくてごめんね。


 

柔らで暖かなアシェの手を握りながら、その寝顔を見つめた、あの日。



 

あの日のように、その手を取ってキスをした。

あの日と違うのは、アシェの手に体温が無いこと。

「……ぇ」

アシェの名前を呼んだつもりだった、声の出ない自分の声帯。

昔のように呼べば、答えてくれるかもしれない。

「っ……ぇごほっえほっ

だけど、音は出ずに引きつった声帯は無理をしたせいで裂けて、真っ白なアシェの手を汚してしまう。

「零音無理して声を出すな……

それを見たニーが、私が声を出そうとするのを、後ろから抱き止めて辞めさせようとする。

「げほんっ……っぇっ!!

血を吐きながら、引き離そうとするニーを睨み。

ニーは私を見て、宥めるように背中をなでて。

「零音、かえるか

問いかけるニーを睨み付け、文字盤を叩く

〈嫌だアシェ、一人で寝れないんだよだから傍に居て上げないとっ……

ニーが私を抱きしめる。

私は……


 

音の出ない声で泣き喚いた



 

神様

どうして、私が生きてるのに

私の大事な人は逝ってしまうんですか?


 

ここは神様に一番近い場所なのに

アシェは何も悪い事はしてないんです

あんなに、いい人なのに



 

返してください

彼は、皆に必要な人なんです

どうしても連れて行くのなら

私を連れて行って



 

声にならない声で何度も叫び

息を切らせながら、漸く落ち着いたころ

ニーが背中をナゼながら私を抱きしめていた。


 

ずっと、そうしてくれていたんだろうに、どれ程そうしてくれていたのか

自分には記憶は無かった


 

只、喉が焼けるように痛くて

ニーを見上げれば、そっと水の入ったコップを口元に添えてくれた




 

カタン。



 

と、響く音で、音のしたほうを見れば

 

 

 

ゲインが先ほどの木箱を開けていた。


 

アシェが愛用していた、黒と緋の法衣

最後に来ていた、ソレをゲインが抱きしめるのを見て

ああ…アシェは本当に戻ってこないだと、実感した。


 

その法衣の背中部分が、大きく切り裂かれ、腹部に大きな穴が開いているのが見えたとき

気を失ったんだとおもう。



 

何日も高熱にうなされて、ニーの手を握って

うなされてる間に

何度か、アシェの幻を見たような気がして

ああ…あの出来事は夢だったのか

と、安心しながらも

夢じゃないよと、警鐘のように誰かが囁く声に悩まされながら





 

数日後。

漸く床から上がる事が出来た私は

そっと、枕元においた、名前の無くなったプレゼントボックスに触れる。

数日振りにベットに起き上がった私を見て、ニーが駆け寄ってきた

「もう、大丈夫か零音」

小さく頷き、傍らの文字盤をさす


 

<アシェの、お墓参りにいきたい>



 

晴れた、風も穏やかな休日

教会でミサが終わったのだろうか

静かに鐘が鳴り響いていた

私は小さな白い墓石の前に降ろしてもらった

今日は黒の上下に黒のネクタイ

ニーも同じような格好をしている。


 

墓石には

アルシェ

とだけ彫られていた。


 

墓石の前に、ニーが白い百合の花を添える

アシェのようだと、私が選んだものだった

(アシェ…)


 

墓石の前で、青い包装紙に包まれた箱を持ちながら思う

(記念っていうわけじゃないけれど、折角アシェに貰ったプレゼントボックスだから、アシェの前であけたくて、あの時

アシェがこれを持って来てくれて、励ましてくれて嬉しかった、ありがとう、開けるね

するりと、色あせた緑のリボンを引き抜き、青い包装紙をほぐせば、白い箱が見える、その蓋をそっと開ければ

コールドボルトのスクロールが内側に貼り付けられていて


 

中には、タンポポのブーケ

黄色と白とピンクのタンポポ

二人を祝福するブーケが腐らずに入れられていた


 

ニーと顔を見合わせれば、スクロールが消えて、ブーケは一気に色あせて

箱の中にはアシェの髪のような銀色の綿帽子が詰め合わせのように、収まっている。


 

「これが、アシェの贈り物…」


 

ニーが呟くと、ふわり優しい風が吹き

箱の中の綿帽子を巻き上げ、空に舞い上がっていった

小さな種をつけた綿帽子は高く高く

優しいプリーストの瞳のような空の中に吸い込まれて


 

私は、傍らのニーの手のひらに書く

<ね、ニー蒲公英の花言葉ってしってる

ニーは小さく首を横に振る


 

<黄色と白は、真心の愛、ピンクはね温かな心っていうんだよ>

(アシェは沢山の幸せを教えてくれたよ、貴方のくれたこの蒲公英の綿毛は、きっとずっと遠くまで運ばれていく

アシェがくれた温かな気持ちの種が私の胸に舞い降りたように、だから…………


 

ありがとう、あの日、貴方が私に手を指し延ばして癒した傷は、コボルトに負わされた傷だけじゃなかった

ありがとう、あの時、貴方が私を必要としてくれたから、私は自分を好きになれた

ありがとう、あの瞬間に、貴方が私に生きていて良いといってくれた。



 

ありがとう ありがとう


 

貴方が生まれてきてくれたこと)

 

<ニー…>

私の指がニーの指に文字を綴る


 

<アシェに関わった人には、幸せの種が届いていたよね

ニーは頷き、答えてくれた

「ああ、きっとこれからも…」


 

銀色に光る綿帽子が、全て見えなくなるまで、私達は空を見あげていた


 

ふと、ニーが私を抱き寄せ

そっと、わたしの目尻にキスをした

きずかずに、私がこぼした涙を

ニーは、そっと唇でぬぐい、キスをする。






 

(アシェ、又いつかどこか出会おうね



・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

何のかんのいって

いろんなところでアシェの名前が出てくるので

随分昔のお話なのですが実は再転載です

 

アシェというキャラクターは私の中ではいろいろと不思議な子で

せくらとは別の意味で大好きです

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ERO小説
なんていうか鬼畜モノが書きたくなった

これぞやおいっていうぐらい、やまもおちもないです

 もう何時間たっただろう
 むっとする熱気は性行為特有のもので、激しく打ち付けられる音と、水音
 そして矯声はもう数時間に及んでいる
 きっかけが何だったのか、もうせくらには思い出せなかった

 「んあっ…あ、ああっ」
 ゆさゆさと揺さぶられる体、腕は固定されベットの上に括り付けられ
 白い上級司祭の証である法衣は無残に破られ、何度となくかけられた白濁によって汚されている。
 無理やり開かれた足が痛い
 生理的な涙が溢れ、目じりから頬を伝って、耳にかかる。
 甘い吐息を吐く守門が、その涙を舌先でなぞりあげれば、その湿り気のある感触に体が震えた。
 「ふうっ…」
 震える体、体の中に暴れる熱がつらい
 吐き出されるべき性は根元を縛られイクことが許されない
 「すも……すもっ、も。イキたいっ……はずして……助けてっ」
 行き場のない暴れる熱で苦しい、自分を苦しめているはずの相手に助けを懇願する。
 「せくらさん、可愛い」
 そんな言葉を紡ぎながら、せくらの真っ赤に腫れ上がったソレを掴み先端の窪 みをを親指の爪先ででグリグリと押さえつける。
 「いあああっ!」
 ただでさえ、イクことが出来ずに、熱のこもったそこは敏感でその行為には快感よりの激痛が襲い、上がる悲鳴
 「やだ、やだ……苦し……」
 うわ言のように言うせくらに、守門は
 「イキたいですか?」
 優しく問いかけられ
 大きくうなずく
 「おねがっ……イカせてぇ」
ずぼずぼと注挿を繰り返され、揺さぶられる体
 「まだ余裕ありそうですね、もうすこしお仕置きが必要かな?」
 お仕置きってなんの?
 と、頭をよぎるが体を支配する苦しさと熱にすぐにその思考は流される
 「ああっ…やだっ」
 「嫌じゃないでしょ?こんなに乳首立たせて」
 ぐりっとつままれる先端
 敏感になっているそこをつま先でつままれ、捻りあげられる
 「ひああああっ!……いやっ……!いたいよおっ」
 「又ウソばっかり」
 ぐりぐりと押しつぶされる胸元の突起に、痛みとは違うじんわりとしたものを感じていく
 「あっ…ああっ」
 ぷっくりと赤く腫れあがったそこを、舌先で転がすようにされれば
 じんじんとした気持ちよさが脳内を焼いていった
 「ああっ」
 「乳首で感じるなんて、本当に女の子みたいですね。せくらさん」
 更にそこへの攻めが続く
 下肢への行為もう休むことなく激しくグチュグチュと掻き回される肉棒は深く穿たれる。
 「ううっ…や、やらっ」
 呂律がうまく回らないのは、何度も追加された媚薬のせい
 「又、そんなウソついて。ここはもっとって言ってるじゃないですか」
 ずん!
 と、さらに奥にたたきつけられれば
 「ひっ」
 青い瞳を大きく開いて、のけ反る。
 その白い喉にかみつけば、淡く血が滲み、そこにも舌を這わせる。
 舌を這わされ唾液を塗り込まれたところがびりびりと痛い。
 守門の身体に含まれる毒には媚薬の効果も含まれている。
 ぞわりと背中をかける熱がせくらの中をかける
 ゆさぶられるたびに、グチュグチュと白濁が泡立ち卑猥な音が室内に響いた
 「ねえ。せくらさん?昼間一緒にいたっていう人は何なんです?」
 グチュ、グチュ
 「あっ……はっ……」
 守門の声が遠い
 「ねえ、宿屋に行ったって聞いたんですよ?」
 ずん!とさらに深く穿たれる
 「も……っ、やらぁっ」
「ウソばっかり。質問に答えてくださいよ?それともじゃあ動くのをやめましょうか?」
 そう言い、注挿が停止する
 熱が暴れ、下半身が熱い
 「あっ……やぁ」
 動きを止められれば、腰がゆるゆると動いてしまう
 「や、やぁっ……出させて、イかせてぇ」
 涙と涎とでベタベタになった顔をなめあげられる
 「どうしてほしいですか?」
 根元を封じられ、先端からぷっくりと透明な汁が溢れるそこを守門は指先でいじる
 「いやああっ!お願い、ほどいてイかせてぇっ……」
 脳髄が焼けそうに熱い、痛い
 揺れる腰を止めることができない
 「はははっ。腰が動いてますよせくらさん、貴方は本当はこんなに嫌らしいんだ、もっと早くこうしておけばよかったんだ、そうすれば貴方が誰かに襲われる心配も奪われる心配もないんだから」
 ずぶずぶと深く突き動かされる
 「あっん、守門。すもっ……お願いイカせて……」
 潤んだ瞳で見上げれば、口の端をあげて守門は笑う
 「このまま俺をイカせることが出来たら、それほどいてあげますよ?」
ついっと、指先でとろとろと溢れる先端をなぞられる
 「ひぅっ……あ、あっあっ……」
 守門をイカせたら解いてもらえる、イク事ができる
 頭の中は、自身を戒めるソレを解いてもらうことしか考えられなくなっていた。
 「あっ……あっああっん」
 不自由に転がされたままで、必死に腰を動かし中にある守門の肉棒を自分の 壁でこすりつけるように動く
 時折その太い部分が、イイ場所にあたれば、熱が体を走り力が抜けてしまう
 「ああんっ!!……イクっ、いきたいっ……すも、お願いっ……」
 涙ながらに訴えるが、聞き入れてくれる様子はない
 「ああ、こんなんじゃ駄目ですね、よっと」
 そんな風に言いながら、せくらの足を抱え上げれば広がり切ったそこに赤黒い モノが深々と突き刺さっている様子を見せつけられ、羞恥で目じりまで赤くそまるせくらの様子に満足そうに頷き、そのまま更に奥を犯し始めた
 無理な体制のまま、まるでゴムまりのようにずぼずぼと押し込み抜く
 「かはっ!あっ……あっ…あああっ!」
 息苦しさに眩暈を覚えながらも、その快楽を逃がすことができずに、少しでも気をちらそうとしているのか、頭を左右に振った
 銀の髪が乱れて絡まり顔にかかる
 「やなのっ……もう、イキたいの…・・・っ」
 縛られたソコはもはやかわいそうなぐらいに真っ赤に腫れ上がっている
 「せくらさんっ」
 守門自身も、媚薬をを大量に含ませた肉壺の快楽に、そろそろ限界が来て
その腰の動きが速くなる。
 「あっ、あっ……あっ!ああっ!」
 突き上げられるたびに上がるかすれた矯声
 ずぶずぶと今までよりも動きを速めれば、掠めるようにせくらの前立腺を刺激する
 「やっ…やあっ!やああっ!イキたいのおっ!……気持ちいいよ!きもちいっ!イカせてぇっ……」
 気が付けば苦しい体勢だというのに揺れる体
 その淫猥な様子に触発されたのか、彼の最奥を突き上げたとき
 幾度目かの守門の熱がその中で弾けた。
 自身が熱い熱を大量に吐き出すのと同時に瞬間にその紐をほどく
 「ひあああっ!!」
 予想をしていないタイミングでの解放
 しかし、長く我慢させられていたせいで予想のように大きく性を放つことができない
 「やっ…や……ぁ」
 トロトロとお漏らしのように零れる白濁
 「やっ……やあっ……んっ」
 それが、自分の顔の上に降り注ぐ
 「や……もっと…もっとちゃんとイキたいよぉ、どぉしてぇ……」
 強い射精感で快楽から解放されるとばかり思っていたせくらは、半ばパニックになる。
 ゆるゆると吐き出されるそれは、絶頂のような感覚がすぐに過ぎ去らず、感度を上げたまま緩やかに吐き出されていく。
 物足りなさと歯がゆさに、足を交差させるようにして腰を動かせば
 守門はせくらの白濁にまみれたその顔をなめとり、まだ抜き出していないそれをゆるゆると動かせばぐちゅぐちゅと淫猥な音が響いた。
 「あ…ああん」
 その緩やかな感触に、せくらの穴が再びきゅうっと締まった
 「まだ。足りない?」
 耳元で囁けば
 媚薬の効果が続いているのか、うっとりとした顔で頷きながら、腰を振り続ける
 「すも……すも……好き…・・・」
 「せくらさん?」
 「らいしゅき……すも…守門にだったら、何をされてもいいの……」
 「じゃあ、どうして俺以外の人と宿屋なんかに入ったんですか?」
 「んっ…んんっ……」
 快楽に貪欲になったせくらの体
 「もっと…ぉ」
 「ちゃんと教えてくれたら、いっぱいイカせてあげますから」
 「あっ…ああん…」
 自分ではイイところに届かない
 口の端からこぼれる自身の白濁を唇をなめるように舌先でなめて、守門にキスをねだる
 守門はそれに答えず、おしおきのように胸の突起をつまみ上げた
 「あああっ!!んっやぁっ!宿なんか、いってない……」
 「胸だけで今ドライでいったでしょう?せくらさん、本当に淫乱な人だ」
 「ほんと…だよぉっ」
 「ウソつき、アサシンギルドにメンバーが見てたんですよ?せくらさんが騎士やチェイサーたちに囲まれて宿屋に入っていったって、その時いくらかのお金をもらっていたんでしょう?どうして体を売るような行為をあなたがするんですか?」
 ゆるゆると腰を動かす
 「……、あ、ちゃんとしてぇ、守門お願い……手解いて……」
 「そんなにイキたいんですか?」
 「あんっ、あんっイキたいよぅ…」
 腰の動きに合わせて跳ねる
 「わかりました」
 そういい、守門がそのまませくらの中を激しく穿ち始める
 「ひっ!やっ!!あっ!……」
 ごつ!ごつ!と壁に強く打ち付けるようにしてそのまま何も言わず、何度も何度も射精する守門
 「がっ!あっ!……くるしっ!あっ!」
 既に、ゆるゆるとしか吐き出すことのできない、せくらの肉棒は硬くなりながら  も、ぼたぼたと顔にかけながらイキつづけていた
 ずっと縛っていたせいで一気に放つことが出来なくなっているのだろう
 そして、ずっとイキっぱなしの状態が続けられる
 「や…やぁっ……」
 「イキたいっていったじゃないですか?お望みの通りイキまくらせてあげますよ!せくらさん!そうして沢山イケばもう従妹を金で買う必要もないでしょ!」
 ぴしゃ!ぴしゃと、突き上げられるたびに顔のかかる白濁がだんだん透明になって、そのうち赤いものが混じりはじめ
 「あ…・・・ぅ、す…も…それ、ちがっ……ちょいさ……さんに…・・ひーる……すきる…かけて…・…」
 「え?」
 媚薬の効果が薄れはじめたのか、守門の問いかけにようやく答え始めたそのかすれた声にようやく我にかえる
 「ぅ……あっ、……たいじん出来る…場所にいってする…から……一回、意識不明に、お前…あれ、きらいだか……いえな……」
 お金はそういう意味でお礼で……と小さくつぶやくこえは唇の動きだけで読み取った。
 そのまま意識を失い、ずるりと力の抜けた身体から、守門もようやく肉棒を引き出す
 ぽっかりと、長い間犯していた穴が赤く広がったまま閉じることなく、ごぼごぼと白濁があふれ出る。
 こんなに中に出したのか?と呆れるほどに、その溢れかえるものは止まらない
その白のなかに真っ赤な鮮血が大量に交じりはじめているのを確認し、投げ出されたその足が吐き出される白濁よりも白いことで、守門はようやく我に返った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はい、失礼しました
これを加筆修正したものを当日販売します

拍手[1回]

「もしかしてマーガレッタさんは、ノア先輩を知っているんですか?」

 疑問をそのまま口にすれば、軽やかな笑顔で答えられた

「もちろん!よく知っているわ!」

 もしかして、ノア先輩の後見人の先輩が、実はマーガレッタさん?!

 だとしたら僕は先輩の先輩に話を聞いていることになる!

 一瞬の興奮はすぐに終了した

「あ、せくら。ノア君の先輩が私じゃないかって思ってるでしょう?」

こくりと頷き

「はい、違うんですか?」

「残念」

ふふふ、っと悪戯が成功した時のような顔で笑う、マーガレッタさん

「違うのよ、私はノア君の先輩とライバルですごく仲が良かったの」

笑いながら答えを言う

「アシェって言ってね、そういえば、せくらによく似てたなぁ、銀の髪とか青い目とかと見た目が、雰囲気はせくらのほうがしっかりしてそうだけどね」

「僕に似た人ですか?」

「うん、ノア君はアシェの事が大好きだったの、だからアシェにそっつくりなせくらの事が嫌いなはずないわ」

「そうでしょうか」

そうは言われても納得はできない、そもそも、自分はそのアシェという人を知らないのだ。

「それに、多分ノア君は自分の持ってる技術をせくらに教えたいんだと思うわ、今のせくらのステータス見せてもらったけど、魔法詠唱の早いタイプになると思う、アシェもそういう子だったから」

「でも、これ全部を覚えて最短で詠唱のできる聖歌に組み替えろなんて無茶です」

 山積みにされた本を見て、再びため息をつく。

 もちろん、ヒールや速度増加、ブレッシング等基本的な物であればアコライトの中では自分は群を抜いて早い、だが先輩のわたしてきた本のなかには、本来アコライトが修行するものではない、プリーストになってから覚えるであろう聖歌が多く含まれていて、そのなかに退魔用のマグヌスエクソシズムまであった。

先輩自体は退魔型プリーストではない、なぜ自分にこれを読めと伝授するのか分からなかった。

そんな風に困惑する俺をみて、マーガレッタさんはいたずらっ子がするような目で立ち上がり、スカートの裾を翻して俺の前に立ち

「見てて!」

彼女がポケットから青石をいくつか取り出し、かざせば途端に青く光りだす。

詠唱が始まっているのだと気が付いたのは、地面に輝く魔法陣が広がった時。

と、同時に光の泉が地面に広がる。

先ほどまでここに本を抱えて歩いてきて削られた体力が癒される。

いくつもの魔法を瞬時に詠唱し終えていた。

 まるで、詠唱時間ゼロに感じさせる技術。

 目を見張り、彼女を見た。

「すごいです!マーガレッタさん!」

「ふふ……これぐらいはノア君も出来るはずなのよ?」

「えっ?!あんなチャランポランなひとが?!」

「ノア君は、修行の途中でアシェが亡くなってしまったから、ほぼ独学でそこまで覚えたのよ、ノア君の仕込みなら何も問題はないわ」

「でも……」

自分は何だか納得がいかなくて、どうせなら彼女に教えてもらいたい気持ちになっていた。

 しかし、彼女は

「楽しみだなあ、せくらが一人前になったら私と一緒に色々な遺跡やダンジョンを巡るパーティーに入ろうね!」

うきうきと将来について話し出す彼女。

自分は、小さくため息をついて

「僕も、マーガレッタさんみたいになれますか?」

「ん?」

「そんな風に、貴方みたいに立派なプリーストになれるでしょうか?」

「私は、別に立派ではないのよ?

ただ、楽しいことを楽しむようにしているだけ、どんな時でもどんな状況でも、私がみんなを助けるの」

 それは、自信に満ちた言葉

「それに、今日せくらに会えてよかった」

「え?」

「私又、暫く調査の依頼が来てプロンテラから離れるの」

「調査って……今度はどこに行くんですか?」

「今回はちょっと遠く、シュバルツバルド共和国のリヒタルゼンという都市なの」

「リヒタルゼン?」

聞いたことのない都市だった。

「あまり、良くない噂が出ているみたいなの……」

その時、明るい笑顔が曇る

「町の人が……次々に消えていくとか、ルーンミッドガッツからの冒険者も何人も行方不明になっているとか……」

「えっ?!そんなところに行って大丈夫なんですか?!僕が心配すれば」

ぱっと顔を上げて、先ほどの表情は嘘であったかのように

「大丈夫よ!私の相方は最強なんだから!聞いたことない?カトリーヌっていう優秀なハイウィザードなんだから!」

 勿論、私もね!

 と、マーガレッタさんは笑って言った。

「でも……」

まだ心配な自分に彼女は、んー……と人差し指を顎に当て、そうだ!と両手をたたき

法衣の裾から、一冊の聖書を取り出し

「じゃあ、私からも宿題をだしていくわ!、私が帰ってくるまでにマスターしておいてね?」

そういって手渡された、本の表紙を見れば

「マーガレッタさんこれ、そのⅠってなってるということは、そのⅡがあるんですか?」

そう問いかければ、彼女は笑顔で頷く

「続きはせくらがそれをマスターして、私に再開したときに貸してあげる!」

そして彼女は、自分が首からかけていたロザリオを僕の首にかけ

「せくらに多くの幸があらんことを!」

そう言って笑い、そして彼女は旅立ったのだ。

一冊の本とロザリオを残して。

それから僕は、毎日のお勤めとノア先輩からの宿題にと、日々をが忙しくな不がれていく中にマーガレッタさんのことは忘れてしまっていたのだ。

 





「そういえば、あれから全然彼女の話を聞かないけれど、どうしているのかなあ」

 今はもうアコライトではなく、アークビショップとして彼女よりも高い地位に立つ自分。

 あの頃託された宿題も、今では理解できていた。

 久々に、あのオークの樹の庭にでも行ってみようか……。

などと考えながら、夕食の片づけも終わり、紅茶をいれていると目の前の守門が険しい顔をしていた。

「何?俺の思い出話でなんでそんな険しい顔してるんだよ」

俺が頭の羽を揺らしながら聞けば

守門はその赤い瞳を細めて、重苦しい表情で俺を見た

「せくらさん……リヒタルゼンっていいました?」

「ああ、大昔だったから聞き間違いだったかもしれないけど、たしかリヒタルゼンっていってたとおもうぞ」

「……そのリヒタルゼンで消息を絶っていると言われて調査対象となっている、冒険者の方の中に、その、マーガレッタさんの名前があったかもしれないです」

 

 

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マーガレッタさんはたいていいつもその場所にいて、まるで自分の休憩時間を知っているようで、彼女と休憩時間に話をするのが日課になっていたある日。

 いつものように、オークの樹の下に向かう自分の両手には、山のような本が抱えられていた。

若干ふくれっ面なのは、ご機嫌斜めな証拠だ。

 そんな俺にマーガレッタさ「せくらさん?」

一瞬ぼんやりした俺を守門が心配そうに覗く。

「あ、いや。ちょっと昔のことを思い出したんだ」

 

まだ自分がアコライトだった頃の事

胸元で揺れる小さなクロスに無意識で指を絡めれば

「そういえば、せくらさん出会った時からそれしてますよね?装備品っていうわけでもなさそうだし、アイテムなんですか?」

「アイテムっていうか、これはお守りみたいなものなんだ、ある人に貰ったものでさ」

 

ああ、何でだろう?

今日はやけにあの人のことを思い出す

 

「あの人って?」

興味津々で聞き返す相方

「何?気になる?」

いたずらっぽく聞けば

「はい、きになります」

素直に答えるギロチンクロス

「じゃあ、ちょっと長い話になるけど……」

そういって、朝食の支度をしながら話し始めた

 

 

子猫事件のあとも、俺はちょくちょく時間があれば裏庭のオークの樹の下に行くようになった。

んはいつもと変わらない笑顔で

「今日は、せくら」

 と声をかける。

「こんにちは、マーガレッタさん」

 マーガレッタさんには、申し訳ないと思いながらもむっつりとした表情を変えることができない。

「どうしたの?それ?」

 俺の表情や雰囲気に対しては何も言わず、彼女は手の中の大量の本を指して聞いてきた。

「先輩に出された宿題なんです」

若干愚痴も込めて聞いてほしかったので、ため息交じりにそう答える

 アコライトは、プリーストになる前に先輩について一定期間の修行をする、その期間の間、通常のお勤め+先輩プリーストが出す様々な問題やお勤めをこなし、その受け持ちの先輩が一人前と認めてくれれば晴れてプリースト試験を受けることができるのだ。

言ってしまえば、その先輩プリーストによって今後の自分の支援スキルなどのっ方向性が決まってくるといっても過言ではない。

支援型で方向の決まりかけている自分だが、いつまでたっても自分の担当をしてくれている先輩プリーストは試験を受けることを許可してくれない。

 同期でアコライトになった仲間はもう、どんどんとプリーストとなり上級の冒険者たちとパーティーを組み更に腕を磨いている。

 自分だけがいつまでも、教会の下っ端のままだった。

「先輩は自分の事が嫌いなのかもしれません」

 マーガレッタさんの横に腰を下ろし、彼女と自分の間に借りた本を積み上げそれを見つめれば自然と、思いが口を滑る。

自分の事が嫌いだから、なかなか認めてくれないのではないか?

最近そんな気持ちが芽生え始めていた。

「どうして?」

キョトンとした表情で自分をみるマーガレッタさん。

そのエメラルドのような瞳をみていたら、心のなかのくしゃくしゃした何かが解けて、つい言葉を零してしまう。

「だって、自分の動機はとっくにプリーストになってて、それなのに僕はいつまでたってもアコライトのままで役立たずだし、先輩に試験を受けさせてくださいって言えば、お前はまだまだだから駄目だって言うんです」

 さわさわと鳴る梢の音。

 じんわりと目の奥が熱くなって、涙が零れそうになるのを、できるだけ目を開いて堪えた。

 さすがにここで泣くのは格好悪すぎる。

 マーガレッタさんはしばらく黙ってから

「せくらの冒険者証を見せてもらっていいかな?」

 マーガレッタさんに言われるままに、冒険者になったときに配布されたそれを見せた。

 懐中時計型のそれには、様々な情報が詰め込まれている。

 例えば、、ギルドに所属すればギルドチャットが使え狩りに行くときにパーティーを組めばパーティー間の会話ができ、又倉庫の鍵や、自分の身分証明書、ステータスなどを表示されていた。

暫くそれを見ていた彼女は、冒険者証を返してくれた

「その先輩ってどんな人?」

マーガレッタさんは首をかしげながら問いかける。

「ノア先輩の事ですか?」

 俺は急に尋ねられたので思わず名前を出してしまった。

 名前を聞いたところで、マーガレッタさんが知るはずないよな、と思っていれば、その反応は意外で、その名前を聞いた彼女は嬉しそうに聞き返した

「せくらの先輩は、ノア君なの?」

若干驚きながらも、答える

「はい、傍若無人で人の話は聞かなくて、いつも司教様や大司教様に怒られてばかりのノア先輩……いや、マグノリア先輩です」

 本人は木蓮という花を意味する、マグノリアのいう名前が好きではないらしく、周囲にノアという略称を定着させているが、あえて本人確認のために本名を出す。

「そっか、ノア君が……。彼がもうアコちゃんを任されるようになったんだね」

 感慨深そうに、そして嬉しそうにマーガレッタさんは言う

 

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